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2004年5月 9日 (日)

途上国でインターンを受け入れる(1)-インターンの効果的な受け入れ方 (畑島 宏之)

 私は途上国に本部を置く国際機関に勤務していた。アフリカの熱帯地方の7月8月は涼しい時期になるのだが、その夏の風物詩のひとつが「サマーインターン」であった。一般職員が休暇に入り、静かになったころ、見慣れない若者の数が増える。国際機関の予算削減と組織のリストラのなか、給料を払ってインターンを受け入れる余裕がなかった。よって、インターンを「無給」でしか受け入れざるをなかったのだが、それでも非常に意欲がある優秀な学生に恵まれたのは幸いだった。これまで延べ20人ほどのインターンの採用や、直接自分の監督のもとにおいて仕事をした経験から、「途上国」の環境で(特に無給)インターンを受け入れるにあたって苦心したことをご紹介したい。

1)候補者の選抜

 人事部からきた履歴書からインターンを選んでいくのが最初の作業だ。インターンが無給とはいえ、大量の応募がある。そのなかで、適任者を数名、探すことになる。しかし、無給なのでいくらでも採用できるかといえばそうではない。事務所のスペースやコンピュータの数にも限りがあり、またスタッフがきちんと監督できる人数にも限度があるのだ。無給だからといって雇う側がコストをまったく払わないわけではない。むしろ、無給だからいろいろ気を遣う点が多い。

 私の職場では事務所のインフラの都合上、採用できるインターンの数は一度に二人まで。それを考え、履歴書から候補者のスキル、意欲、態度、興味を読み取っていく。選考の上で最大のポイントはインターンとWin-Win関係が構築できるかどうかということだった。インターンの欲しているものと、こちらがやってほしいこととの折り合いが可能かということだ。自分の研究をやりに来たいといういうような候補者は選ぶ気になれない。やはり、何を自分が貢献でき、学ぶ意欲があり、さらに自らの学業や将来の仕事にインターンをどう結びつけたいかということがわかるような履歴書やカバーレターは興味深く読む。その中で、こちらが求める仕事ができそうなスキルや経験をもっている人で、インターンをすることで付加価値がつくような人(途上国での経験や実務経験など)を選ぶようにしていた。

2)適切な仕事のパッケージング

 インターンを受け入れると決まったら、考えなければいけないのが、具体的にどういった仕事をさせるか、ということだ。インターンがいるのは2-3ヶ月、仕事といってもその限られた期間やインターンのスキル・能力にあわせた「パッケージ」を用意しなければいけない。それも自分たちの業務プログラムのなかから、ひとつまとまったプロジェクトとしてまとまったものを。さらに、いくらやってほしい仕事とはいえ、あまり単純労働にならないようなものにしなければいけない。そうでないと相手のモチベーションを維持できない。さらに、結果物をレポートやプレゼンテーションとして最終的に形になるような仕事、というのも考慮している。そうすることによって、勤務が終了した後、持ち帰れる成果物ができることになり、インターンが責任とやる気と持つことができる。

 そのようなパッケージを作ることは結構しんどい。とくに、自分の仕事の一部分を切り取り、それを外から来た学生が飲み込めるくらいのパッケージにするというのは手間がかかる。組織のやり方がある程度わからなくても情報収集でき、分析できるというところまで持っていくのも戦略的にやる必要がある。ただ、それくらいの準備をしないと、短期的にやってくる無給のインターンがこちらの仕事に貢献してもらうということはむずかしい。給料が払えないならそれ以外のインセンティブを用意しないといけないのだ。

3)適切なフォローアップ

 また、インターンに仕事をあたえ、そのままにしておくのはよくない。まず、インターンに特定の仕事が自分の部署や組織、そしてさらに大きなIssueなどとの関連を十分説明しておく必要がある。そのためには、業界のトレンドや最新の議論などとも関連付けしつつ、インターンの作業が全体にどう貢献するか説明し理解してもらう。また、いろいろな機会をもってフォローアップしておくのも大事だ。そのためにもインターンでも部署のミーティングで報告させたり、チームの一員として参加させることをさせなければいけない。忙しい中インターンの相手をするのは結構大変だが、やるのとやらないのとではぜんぜんインターンの態度や成果は異なってくる。

 こう書いてきて、「途上国」でのインターンと先進国でのインターンとどう違うのかと問われそうである。基本的なマネジメント、モチベーションなどはまったく違わないと思う、しかし重要な違いは、「途上国」特有の困難に立ち向かえるかということだろうか。インフラも悪いし、基本的なことでさえ思ったとおりいかない事も先進国の比ではない。組織の予算もあまりないので、職員にさえもPCや電話などが行き渡らないときがある。そのようなときにもenjoyし、健康で仕事ができるのが一番重要だと思う。また、そうできる環境をできるだけ準備できるようにする、というのが途上国でインターンを継続して受け入れるための必要条件だと思う。

次回は、私が見た「途上国で成功するインターンの資質」とは。

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コメント

途上国でのインターンの受け入れ、参考にさせていただきます。前任地の在米国日本大使館で、開発関連のインターンを5-6名受け入れた経験はあり、その際に、「無給であることを凌駕するようなメリットを与えること」に苦労した記憶があります。

ただし、丁度優秀な人達に恵まれ、仕事の上でも大変助かりましたし、その後DC開発フォーラムで更に羽ばたいてくれた人達も多かったので大変嬉しく思っております。

途上国では、生活環境という別の要素があり、また難しいですね。連載を楽しみにしております。

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