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2004年5月16日 (日)

Seeing is believing(2)-rainbow nation(工藤 真友美)

 南アフリカという国は、Nelson Mandela元大統領が「rainbow nation」 といったように、様々な人種が共存する、多民族国家である。アパルトヘイトの黒人差別で有名なために、白人と、黒人、という2種類に分けてしまいがちだが、黒人でも、20種類以上の民族がいるといわれているし、白人でも、アフリカーンス、ドイツ系、イギリス系などがいる。アフリカーンスとは、オランダ系の移民で、大航海時代に貿易のために、その後の植民地化によってやってきたオランダ人の子孫である。長い間、彼らは独自の文化を築き、南アフリカの「white tribe」ともいわれるほど、南アフリカを代表する、民族である。また、アパルトヘイトの対象にもなっていた、インド系、また、白人と、黒人とのハーフのカラードと呼ばれる人達もいる。

 私が行っていた現地の高校は全人種がいる、ミックスの学校であった。南アフリカの学校はアパルトヘイトの名残で、イギリス系のみの学校、アフリカーンスのみの学校、黒人のみの学校と分けてある。最近はミックスの学校も増えているようだ。また、私のいた町は小さいので、学校があまりないために、ミックスに、といった理由もあったと思う。登校初日、日本の、日本人しかいない環境に慣れていた私は、その様子が未知の世界にうつった。聞こえてくるのは、今までまったく聞いたことない言葉。いろんな人種の人がいて、面白いと思ったのだが、やはり目に付いたのは、白人と黒人の間に見えない線が引かれていることだった。昼休みに中庭で集まるのは白人同士、黒人同士で、ミックスしている人たちをみるのはまれである。私の場合、いつもよく一緒にいた親友は、インド人の子、カラードの子、イギリス系の子、そして、ズールー族(私のいた地域に多い、黒人の民族のひとつ)の子であったので、私たちのグループはある意味で浮いていたようだった。

 当時、アパルトヘイトについてよく知らず、多民族国家で、みんな仲良く交じり合って生活している図を思い描いていた私には、衝撃的な事実であった。目の前に広がる光景は、私が日本にいたら、見ることができなかった現実であった。日本人として、育った私には、人種の壁というものが、いまいちよく理解できなかったのである。しかし、だからこそ、その、壁がない分、この一年間に人種にこだわらずにいろいろな人と、出会うことができたのだとも思う。

 アパルトヘイト廃止から10年たった今、人種差別はなくなったのだろうか?私が南アフリカにいた当時、(2000-2001)少なくとも、表面的には、改善はされているような気がした。少なくとも、白人が、黒人に対してもっと、オープンになっているし、なにより、法的な、システム的な差別は廃止された。しかし、私は平等な社会になったとはまだ思えない。人々の文化的、歴史的といった深い部分での価値観はあまり、変わっていないような気がした。南アフリカの人々のホスピタリティは素晴らしい。小さな田舎町であったため、出会った留学生は一人であったし、アジア人も、雑貨店を営む中国人の一人であった。日本人とはたまたまビジネスできていた会社員の人としか会っていない。町の人々はお互いよく知り合っていて、新参者の私はその中に溶け込めるかどうか不安だったが、そんな私にすごくよくしてくれたし、言葉もわからないのに、親切にしてくれた。I am a part of communityという感覚が留学してから2,3ヶ月程度でもうできていた。だからこそ、強く残る疑問がある。「部外者」である私に対して、よくしてくれるのに、どうして、同じ国に住む人々に対しての対応が違うのだろうか?この疑問が1年間の留学生活ずっと残り続けた。それが、今、私が大学で副専攻している、人種差別と、民族紛争についての勉強するきっかけにもなったのである。

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コメント

「部外者」だと、歴史的なしがらみが少ないからではないでしょうか。私は1990-92年にアフリカのナイジェリアに勤務しました。同じナイジェリア人でも、部族も言語も数百に分かれていて(大きい部族・言語は3つですが)、宗教もイスラム教、キリスト教、現地宗教と違っています。独立直後の1962年に大規模な内戦もありました。中東紛争ほどではないかもしれませんが、お互いに歴史を持つ人達に比べて、全くの「部外者」は親しみやすいこともあると思います。連載を引き続き楽しみにしています。

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