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2004年6月 6日 (日)

REFLECT識字教育プログラム(岩岡いづみ)

 女性の識字教育に関する研究のため、ネパールに滞在したことは前回のコラムでお伝えした通りである。そこでケーススタディとして取り上げた識字教育プログラムの一つがイギリスに本部を置く国際NGO、アクションエイドのREFLECT識字プログラムである。 REFLECTとはブラジルの教育学者パウロ・フレイレの理論を元に組み立てられた識字の習得と同時にコミュニティー開発を狙った参加型識字プログラムだ。この枠組みの中でデザインされた識字教育とは単に読み書き計算能力の習得のみならず、識字の習得を通じて社会的弱者が不平等な力関係を少しでも平等な状態に持っていくことを狙っている。REFLECTの主な特徴を挙げてみると

1) 教科書を一切使わない
 教科書とはコミュニティーに住む住民自体の問題、コミュニティー自体の問題に精通していない部外者が作成したものであるから、教科書を使うことは学習者の創造力を養う機会と学習者自身やそのコミュニティーの問題について熟考する機会を妨げることになる。代わりに学習者はREFLECT教室でディスカッションを通して学んだ新しい単語をノートにとり、それが最終的に学習者の教科書となる。

2) ファシリテーターの役割は教えることではなく、問題提起を促すこと
 REFLECTの理念のひとつに「教育とは知識を持ったものから持たぬものへの詰め込み教育であってはならない。」というのがある。REFLECTにおいてファシリテーターは学習者との「対話」の一部でなければならない。ファシリテーターの役割とは対話を通して学習者に自身と自身を取り巻く状況について深く考える機会を提供することにある。 トップダウン式の教育はファシリテーターが権力の保持者に陥りやすいため、REFLECTでは参加型アプローチを重視する。このようにREFLECTではファシリテーターと学習者の力関係に極めて敏感である。

3) PRA
 REFLECTはPRA (参加型農村調査法)をベースにしている。季節カレンダー、ソーシャルマップなど参加型ツールを用いながら地域の問題、季節に応じた農業の問題、病気などについて話し合い、その中からファシリテーターが選んだキーワードについて話し合いを進めながら新しい単語の読み書きを習得する。同時に地域の問題についても話し合いを通じて問題解決に向けて動機づける。

 REFLECTほど住民主体を重視した識字プログラムもなかなかないかもしれない。しかし10ヶ月のプログラムが終了した時点で学習者の半数は自分の名前や簡単な単語以外に読み書きをすることは難しいと答えた。柔軟性に富んだファシリテーターによってプログラムが実施されていたら、もしくはプログラムの参加者の年齢層がもっと若ければ違った結果が出ていたのか、それともプログラムの目的自体が非識字者にとって無理があったのか、今後個人的に研究していきたいテーマである。

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