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2004年7月

2004年7月18日 (日)

企業組織統合における異文化コミュニケーションの重要性(坂本欣也)

(「地球に乾杯!NGO」をご覧になった読者の方々が用いた検索エンジンでのキーワードを元に、以前掲載したコラムを厳選してお送りいたします。第2回:キーワード=「異文化コミュニケーションの重要性」)

 今回はミクロからマクロに視点を移し、異文化マネージメント・コミュニケーションに関する研修・コンサルティングが必要とされる背景を企業・組織統合という側面から考察してみたい。 

 近年多種多様な多国籍企業がグローバル経営戦略という方針を立て、そこに生き残りをかけて変化の激しいメガコンペティションの国際市場で戦っている。 その一現象として、M&AやJVが近年著しく増加し、巷では投資銀行証券会社、コンサルティング会社がひしめき合い、国も規制緩和の傾向にあり企業の再生や事業組織再編を後押しする環境が整ってきている。世界のM&A総数は90年の約1000件から01年の約3000件の10年間において件数で約3倍に増加した。 しかし、一方ではM&A後にその投資効果が得られないケースも増加している。 それは不良債権や過剰な従業員を抱えるリスクとともに外国企業買収における文化やシステムの違いをマネジメントする難しさも挙げられている。

 これまでの企業の考え方ややり方は、新規事業、売上、市場シェア、利益、販路、新技術、資金調達運用などの確保拡大というビジネスのハード面には細心の注意とエネルギーを注いでいても、そのための組織作り、人づくり、共有のプロセスづくりというビジネスのソフト面には同等の注意とエネルギーを注いでいないのが実情であった。 実際にはM&Aは「金で時間を買う」といわれるように短期間で投資分を回収し成果を出す必要があるという焦燥感と市場変化のスピードが速いためためソフト面に注意を払う時間がとれないというのが現実なのである。 その結果ビジネス展開後時間が経過してから、合併、提携先の組織との考え方、やり方の食い違いによってビジネスそのものが困難になるケースがあとをたたない。 自らの組織・事業の自然拡大ではなく、ビジネスをそのまま引き受けるM&Aタイプで拡大したグローバル組織はよけいにソフト面での問題が起こりやすい状態にある。 何故なら、異なる国文化と企業文化をそのまま飲み込む形になり、オペレーションレベル:マネージメント、コミュニケーション、意思決定など-で当事者の間のさまざまな物の考え方、やり方の違いから摩擦が起こることになるからである。 その意味で企業文化を含む質の高いデュー・デリジェンス(買収事前調査)とその後のフォローアップの重要性は高くなっている。 

 野村総合研究所の「日本企業のM&Aに関する調査」(有効回答668サンプル、回収率19%、2001年8月実施)の回答分析によると、「M&A戦略策定~候補企業の選定」「交渉」「経営統合」の3段階のうち「経営統合」が最も重要とされているのにもかかわらず、「企業文化・風土の統合、業績評価・管理会計システムの統合、情報システムの統合など」の「統合後のプロセス」の満足度が低いという傾向が見られることから「経営統合のプロセス」を効果的かつスピーディーに進めることが今後の成功の鍵である、と発表している。 「勝利する企業合併」(M・Mハベック、F・クルーガー、M・Rトレム共著、岩本 郎 訳)でも「ポスト・マージャー(合併後)の統合プロセス」こそが真の意味での企業合併成功の鍵であると説く。 過去2年間で行った国際調査で115の合併事例の内、58%がこの点で目標達成をしていないという。

 これらの例からも異なる国の企業文化(価値観、物の見方考え方、システム、プロセス)の融合とそれに基づく相互のコミュニケーションの質を如何に高めるかというビジネスのソフト面の充実は組織合併の成功に大きな鍵であることは認識されているがまだまだその実行度は低いということが分かる。 

 翻ってみてNGOではどうであろうか? 国際NGO同士の組織統合や共同プロジェクトなどでもこうした組織文化国文化の統合の問題をはらんでいないであろうか? その意味で企業での組織統合やそれに伴う組織人材開発の事例はNGOでも役に立つのではないだろうか?

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2004年7月11日 (日)

NGOとは(黒田かをり)

(「地球に乾杯!NGO」をご覧になった読者の方々が用いた検索エンジンでのキーワードを元に、以前掲載したコラムを厳選してお送りいたします。第1回:キーワード=「NGOとは」)

 「地球に乾杯!NGO」に寄せられた読者の方からのお便りの中に、「NGOの定義」についてのお問い合わせがあった。今回は、この場を借りて、「NGO」あるいは「類似語」の定義について、私の理解する範囲で整理してみたい。

 まず日本における一般的な解釈だが、国際協力NGOセンターが1年ごとに出版している国際協力ディレクトリーの2002年版の冒頭に、「NGO」という用語について~その概念と解釈~についてわかりやすく説明されている。引用すると、NGOは、国連が政府以外の民間団体との協力関係を定めた国連憲章第71条の中で明文化されてから、次第に使われるようになったが、今日では、経済社会理事会との協議資格やその他の国連機関との協力関係の有無に関係なく、開発問題、人権問題、環境問題、平和問題など地球的規模の諸問題に、「非政府」かつ「非営利」の立場からその解決に取り組む市民主導の国際組織及び国内組織を「NGO」と総称するのが、より一般的となっている。

 また、日本では、「NPO」と「NGO」の違いが、最も頻繁に聞かれる質問の1つとも言われる。このふたつの違いは、新聞紙上、学術論文、NGO・NPO実務者の著書やさまざまなハンドブックなどに説明されてきているが、わかりやすく言えば、「非営利組織は、利益を分配しないという点を強調するのに対し、非政府組織は、政府から独立しているという点を強調するが、これらは多くの場合、同じ実態を言い表す別の表現」と日本NPO学会の常任理事を務める大阪大学の山内直人氏は述べている(1999)。さりながら、NGOは開発協力など国際的な活動を行う団体、NPOは地域社会で福祉活動などを行う国内団体という意味で使われている傾向にあるようだ(JANIC 2002)。

 これらの他にも、非営利・非政府組織を表すのに、ボランタリー組織、サード・セクター・オーガニゼーション、民間ボランタリー組織、市民社会組織などさまざまな表現も使われている。どの用語もきちんと確立した定義があるとは思えないし、また国によって、使われ方がまちまちなので、国際的な会合などの際に定義が必要になることは少なくない。

 イギリスでは、日本の非営利セクターに相当するのは、ボランタリー・セクターと呼ばれている。イギリスのチャリティ法に拠りチャリティ団体として、イングランドとウェールズにおいて登録されているのは2002年3月末時点で161,333団体(スコットランドと北アイルランドはそれぞれ法律が異なる)、それにチャリティではないボランタリー組織や多種のクラブなどを加えると、イギリス全体でボランタリー組織の総数は40万団体にも上ると言われている。その構成組織の構造、活動範囲、法的立場、有給スタッフとボランティアとの割合、財源など、多種多様である。これは、日本の非営利セクターにも共通することである。英国ボランタリー組織全国協議会(NCVO)のスチュワート・エリクソン氏のことばを借りれば、「このような多様性のため、英国ボランタリーセクターに定義を持たせることは困難であり、それは『常に変わりつづける目標と、カメレオンのごときすぐ変化する内部構造』と描写される英国企業セクターより遥かにその定義がむずかしいと言ってよい。」そうだ (英国のNPO:JCIE 1997)。その中に、ソーシャル・サービス、文化・レクリエーション、教育・研究、開発・住宅、健康増進、環境、アドボカシー、国際活動、ボランタリズムとフィランソロピー活動などがカバーされている。前出の山内教授も「多様性こそ、非営利セクターを特徴づける重要な要素である。」と述べている。

 イギリスでは、日本と同じように、NGOと言った時に、国際協力活動を行う団体を指す場合が多いらしい。文献などでは、国際開発団体(人道支援活動も含む)などと但し書きをつけているものも多く見受けられる。なお、労働党によって1997年に改名され強化されたDFID(英国国際開発省)では、市民社会組織ということばを使うことが多いが、これは、NGOだけでなく労働組合などその他の非営利団体を加えているので、かなり広範囲な非営利団体をカバーするために使われているようだ。

2004年7月 6日 (火)

更新が遅れています(ウェブマスター)

「地球に乾杯!NGO」の7月5日分更新が事情により遅れています。ご迷惑をおかけしていますが、しばらくお待ちください。

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