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2004年8月 8日 (日)

グァテマラでのNGO向けCSR(企業の社会的責任)にかかるセミナー(上岡直子)

 5月にグァテマラに出張した際、NGO向けに企業の社会的責任をテーマに扱ったセミナーに参加した。これは、USAIDグァテマラと、企業に対し、社会的貢献に関して、情報提供や研修活動等を実施しているグァテマラの団体、CentraRSEの共同主催によるもので、USAIDグァテマラが、地元のNGOと企業が積極的に連携を図るのを促進する目的で開催したようである。グァテマラのNGOの代表者百名近くが参加しており、NGOによるこのテーマへの関心度は高いものが見られた。

 USAIDグァテマラがこのようなセミナーを開催したのには、近年のUSAIDのPublic-Private Partnership強調の背景がある。米国から途上国向けに、開発援助関連で流れた資金のうち、米国政府によるODAが占める割合は、30年前に7割以上であったのが、現在では2割に過ぎない。大半の資金源は、財団、企業、NGO、宗教団体、学術機関などである。そこでUSAIDは、企業やNGO等の民間の資金をも活用しながら、同組織の事業を実施するべく、Public-Private Partnershipをここ数年間盛んに唱えだした。

 そして、2002年7月には、国務長官Colin Powellが、USAIDによりGlobal Development Allaiance (GDA)のプログラムが新たに設立されたことを発表。このGDAは、政府、企業、市民社会団体が alliance(同盟)を結び、おのおのが各自の経験や専門性、および資金を持ち寄って、持続的な開発を目的とする事業を実施することを奨励するスキームである。そのメカニズムはというと、NGOや企業等2団体以上の同盟による共同事業に対し、相応しいと判断したものには、USAIDはGDAから1対1のマッチングファンドをつけて、その事業を支援している。これまでGDAに参加した民間団体のリストを概観すると、Bill & Melinda Gates Foundation, Hewlett-Packard, Johnson & Johnson、石油会社、金融関連会社が名を連ねている。米国でおなじみのHome Depotや IKEAもリストとに含まれているが、どのような形でGDAに関わったか、興味が沸くところである。参加企業は、名前だけで判断すると、大多数が米国または多国籍企業のようだが、いくつか途上国の企業も含まれているようだ。GDAに参加したNGOも、国際NGOが殆どのようにみられるが、途上国のものもちらほら見られる。また、USAID以外の公的組織も共同事業に巻き込めば、GDAのパートナーとみなされるようで、世界銀行のようなマルチ、JICAも含めたバイの援助機関、および途上国の政府機関や公的団体もリストされている。現在、企業や企業財団によっては、社会的貢献に費やす資金がとてつもなく大規模になってきており、例えば、Bill & Melinda Gates Foundationが、global healthとして毎年拠出する資金は、WHOの年間予算より多いといわれている。これらの資金に目をつけ、ちゃっかり活用してしまっているUSAIDに、改めてびっくりである。

 ところで、グァテマラでのCSRのセミナーに戻ると、企業の社会的貢献の定義や、企業とNGOの連語の意義といった概念的なことが中心で、具体性に欠けていたのが残念だった。グァテマラにおいては、コーヒー製造団体によるFunrural、また砂糖製造団体によるFundazcarをはじめ、幾つかの民間財団が、教育やコミュニティ開発関連の活動支援をしている。他にもそういった民間団体や地元企業があるのか、また、慈善目的で資金を提供するだけでなく、実際にNGOとパートナーシップを組み、共同で事業企画や事業実施をしたり、地元の人々の福利のためにいかに企業責任を果たせるか、NGOと協議したり政策を共同で作成したり、といった真の意味でのallianceが進んでいるのか…。このセミナーが、グァテマラの企業とNGOのパートナーシップの実例とその内容に重点を置いてくれればよかったのにと思う。

 私の次回のコラムでは、World Learningのグァテマラの二言語教育のプロジェクトが、グァテマラの企業や財団といかに連携を組もうと試みたか、その成果とチャレンジはいかなるものかということについて、紹介したい。

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