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2005年1月24日 (月)

理数科教育パイロットプロジェクトの開始(里見陽子)

ジトッと湿気がへばりつくような蒸し暑さ。コロンボ郊外の空港に降り立った瞬間、そんな熱帯の空気に取り囲まれ、圧倒されそうになりながら「南国」を実感した。モンスーンの時期でもあり日差しは特段強くも感じられなかったが、蒸し暑い。DCを出た日も暑かったが、それとは違う、熱帯の匂いがした。
「いつもこんな感じですか?」
空港まで迎えに来てくださった調査団員の方に、思わず聞いてしまった。

前回のコラムでは、留学先のアメリカ・ワシントンDCから開発の現場であるスリランカに行くことになったいきさつをお話した。そして私がスリランカに来た目的は、「JICA初中等理数科分野教育マスタープラン開発調査」に従事するためである。これは、その名の示すとおり開発調査という技術協力のスキームで実施されている開発計画調査(マスタープラン:M/P)である。最近では、開発調査に実証調査を含む形で行われることが多い。つまり、マスタープランの素案を元にパイロットベースで実証事業を実施・モニタリング・評価し、マスタープランで提案する内容や方向性の適用・普及可能性を検証すると同時に、現場での経験から学んだことをマスタープランに反映させることを目的としている。スリランカの案件もこの形で実施され、私はその実証事業(パイロットプロジェクト)の担当コーディネイターとして、調査に参加した。教育省のオフィサーがカウンターパート(C/P)チームとなり、我々調査団と一緒に活動した。

学校から提出されたプロポーザルを元に、最終的に25校が「パイロット校」として選ばれた。パイロットプロジェクト開始前に着任した私にはまず、まもなく開催される事前ワークショップの準備そして実施という仕事があった。5日間にわたるこのワークショップでは、パイロット校の校長や教員を招いて我々調査団・C/Pチームと共にプロポーザルの仕上げを行い、レポートの書き方や予算管理の方法を確認したうえで、パイロットプロジェクト実施に係る各校との契約となる。

学校側が準備してきたプロポーザルは、C/Pによる英訳を経て我々の元に来るのだが、プロジェクトの必要性、妥当性、対象、具体的活動、期待される成果、指標、そして予算までを含む大がかりなものである。もちろん内容的にはまだまだ改善の余地あるものだが、これを準備するために学校の先生方や保護者たちの相当な苦労と努力があったものと伺える。そもそもスリランカの教育制度では、教育活動の内容はもちろんのこと、指導法から教員研修、学校施設や備品に至るあらゆる面で教育省からの指示に従うのみであるのが通常であり、先生たちが自ら計画を立てて教育の向上のために物事を進めるというのは全く初めての試みなのである。

それだけに、パイロットプロジェクトを「勝ち取った」25校の先生たちは皆嬉しそうだ。ワークショップを終え、自分たちの学校を良くするために頑張ろうと互いに励ましあいながら、晴れ晴れとした顔でそれぞれの学校に帰って行った。もちろん、学校を良くするというのは「言うが易し…」であり、この後1年間、汗をかきながらあれやこれやと様々な形での投入をしていくことになる。

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コメント

紀谷さん、コラムを読んでくださってありがとうございました。スリランカ出張お疲れ様です。被災地の様子には、当然ながら大変胸を痛めています。支援に当たるドナーやNGOの方々は、厳しい状況で休みもなく本当に頑張っておられることと思います。頭が下がります。

理数科パイロットを通じてスリランカの(一部の)学校に導入した「教育改善」のアイディアが、今後は津波復興支援を通じても広がっていけばいいなと願っています。

里見さん、コラム執筆ありがとうございます。私も先週スリランカに行って、雰囲気がわかりました。守満さんや景山さんにもお会いしましたよ。現地で話を伺って、初等教育マスタープランも日本の貢献の重要な一角と感じました。今後、きちんと実施に移されると良いですね。今後とも一層ご活躍ください。

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