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2005年11月14日 (月)

行動変容へのあくなき挑戦(位田和美)

(前回のコラム「エイズ予防活動のその後」)

セネガルへ赴任してから1年半が経過した。ここにきて「啓発活動」の限界を感じ始めている。疾病予防活動にしろ、就学促進活動にしろ、活動開始当初は村人にいかに「聞いてもらうか」「知識を得てもらえるか」を主眼に置き、楽しみながら活動することを一番のモットーとしていた。しかしながら、知識伝達がある程度達成できたと感じられる現在では、もう一歩踏み込んで村人の「行動変容」への動機づけを目下の目標としている。

そんな折、友人の紹介で州衛生局の副局長と知り合いになった。この副局長は数々の研修を受けた上に実地経験も積んでおり、お話上手でかつ聞き手の的をついている。そこで、悩みの種の課題を相談させていただいたところ、懇切丁寧に行動変容理論を説いていただいた。大変興味深かったので、以下に紹介させていただくことにする。

曰く、人間が何か行動を起こすには8つのステップが必要である。
1. 知識: 行動(習慣)と問題の因果関係を認識
2. 関心: 個人的信条や他の人の意見に基づき、行動を起こそうとする態度/素振り
3. 決定: 行動しようとの意志決定
4. 試行: 薦められる行動を取ろうとする第一段階の試行
5. 放棄: 試行(行動)しても成果が見えないことからくる、中断の意志決定
6. 維持: 行動継続/再試行
7. 再放棄:行動を継続しようか否か迷いつつも、再中断
8. 採択: 恒久的な行動継続
ただし、1-8までスムーズに進むのではなく、各段階間を行ったり来たりもするものである。

なるほど、上記のように理論立てて説明を受けてみれば、非常に合点がいく。また、上記に沿って今までの啓発活動を位置づけてみると、まだほんの第一段階であることが整理できた。そして現在進行形の活動では、第二段階の「関心」のきざしが見えてきており、3「決定」へ向かうべく一生懸命働きかけているところであることがわかってきた。この理論を知らない頃、自身の勝手な感覚では、恐れ多くも現状は6「維持」か7「再放棄」あたりかと思い違いをしていた。やはり論理的検証は何事にも必要不可欠である。

さて、このように整理できたところで、一言で「行動変容が課題」と言ってもさまざまな段階があることがわかり、現状の課題もより明確になってきた。まず、2「関心」の段階で重要なのは、個人個人の認識や関心を形にする際の強力なサポートとなる村全体の連帯感と組織力であろう。その後の3「決定」や4「試行」は個人個人に委ねられるが、ここで外部者にできることと言えば、5の「放棄」に至る動機づけの軽減であろう。それは保健分野を例に挙げるならば、保健状況向上の実現にかかるコストの削減、現金収入向上(収入手段の確保および多角化)、労働負担の削減に伴う保健状況向上にかける時間の創出ということが考えられよう。残り任期の半年間は、かなり長期的な目で見たときの最終目標としての8「採択」を見据え、理論上予想し得る課題を先回りして考え、村人と共に準備していきたいと思う。

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