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2006年5月22日 (月)

人々の中のNGO(位田和美)

(前回のコラム「行動変容へのあくなき挑戦」)

今回は、本コラムのタイトルでもある「NGO」の存在をめぐり、村落部の人々を取り巻く社会環境を概観してみたい。しかし、「村落部の人々」と一概に括ることはできないため、ここで述べることは私の活動村という一例であり、私の所感に過ぎないことを冒頭に言及しておきたい。

まず、私自身が活動を行う村(活動村)を選ぶ際に、学校やヘルスクリニックなどの公共機関やNGOが活動している土地を選んだせいもあろうが、当地では村落部の人々の生活の中にNGO支援が深く根付いているという印象を受ける。例えば、人が生まれ、体重測定をする際にはNGOが体重計や軽体重児への栄養補給食を支給し、村の地域保健普及員による体重測定の監督を行っている。疾病予防のための啓発活動にかかる教材供与もしかりである。子供が学校へ行くようになると、NGOから学校に対し学用品や給食時に使用する食器、食器洗いのための洗剤、大きなものになると学校建設(クラス、塀)の支援を受ける。また、視聴覚教育充実のためにソーラーパネル、ビデオ機材を供与されている学校さえも存在する。他方、大人、特に女性を対象にした識字教室の開催・運営もNGOが支援しており、生活技術指導とともに成果をあげている。他には、村人の生活基盤である給水塔、中規模換金作物作りのための種子や畑の柵といった材料も供与され、その維持管理の監督もNGOが務めている。さらには、村の一大関心事、つまり、人々が自ら資金を提供しようとする動機づけが高いとされている宗教行事を開いたりするときでさえ、NGOから資金援助を受けている場合もある。

このように、人々は複数NGOの支援を受けているため、フォーカルポイントとなっている村の代表者はそれこそ息つく暇もないほど対応に追われている。逆に、フォーカルポイントがしっかり業務管理していればいるほど、NGOにとっても支援しやすい村と判断され、さらなる支援を見込むことができるようである。

そのNGO活動であるが、私は実態を目にする前は人々が支援要請をあげ、NGOがそれに応える要請主義形式が主体かと思っていたのであるが、実際には要請主義を掲げながら、NGOが積んできた経験を基にプロジェクト導入の雛型のようなものがあり、NGOからの提案方式でコトが進められていることが多いように感じる。
しかしながら、NGO支援開始にはさまざまな経緯が存在する。

例えば、セネガル政府が国家プロジェクトとして始めたものの経過観察および深化を目的とした引継ぎ形式がある。特定のNGOが引き継いだ政府プロジェクトのさらなる引継ぎもある。当地では乳幼児死亡率低下のための栄養プロジェクトがこれに該当する。

また、本来であれば公共機関(私の赴任地では医療機関であることが多い)の業務であるのであるが、資材・人材不足から人々や、公共機関までもがNGOに支援要請し、実施するという形式もある。全国一斉ワクチン接種や学校行事開催がこれに該当する。

いずれにしろ、NGOは公共サービスの代替であるという印象を強く受けることが多い。

上記に見るように、当地では人々の生活の中にはNGO支援が根付いていると言っても過言ではないだろう。人々にとってはNGOが地方公共団体より身近な存在であったりする。

私は赴任当初、上記の状態を「援助づけ」「住民の意向を無視した、上からの押し付け形式」と一括りに見る傾向があった。しかしながら、2年近く観察していると、日々食べていくことに加え、簡易診療所から学校運営に至るまでコミュニティが負荷を負っている現状を鑑みると、NGO支援がどのような形であれ(仮に住民が受け身であったとしても)、実際に人々にとって必要であり、役に立っていることが確かな場合が多い。むしろ、私見ではその支援期間に有限性のあるNGO支援終了「後」の村落開発こそが課題であり、支援終了後を見据えた活動計画が欠如しているとの問題意識を抱いている。

その中で協力隊員としてどのような役割を見出すのか。次回のコラムでは、草の根レベルで活動する青年海外協力隊の役割とその醍醐味を記したい。

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