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2007年10月14日 (日)

パイロット活動(位田和美)

(前回のコラム「青少年センターにおける現行啓発活動調査」)

任期中の最後の1ヶ月間、腰を据えて1箇所で活動できたことは、非常に実りの多いものであった。というのも、約1ヶ月間の調査中は、各青少年センターにつき3-4日間の日程で、スタッフとの成果分析(不賛成意見多数につき、折り合いに時間がかかる)、地域のキーパーソンへの聞き取り(まず日程調整が至難の業であり、現場へ行かないとアポは取れず、アポは取れても守られるとは限らない)、青少年へのインタビュー(学年末であったがためにアクセスが困難であり、さらに、本音を聞きだすのに時間がかかる)、啓発活動の見学、と盛りだくさんであった。そして、盛りだくさんであるがために、自らのエネルギーを使い切ったにも関わらず、一過性の活動に陥る可能性が否めなかった。実際、調査を終え、配属先である青年省へ中間報告をした際には、先方の賛辞とは裏腹に、人事問題や保健システム不備という根本問題を目にし、私には焦燥感、無力感だけが積もった。

そんな精神状態で臨んだパイロット活動であったが、スタッフとの関係が深まるにつけ、さまざまな内外の課題を抱えつつも、自らの哲学をもってできることから地に足をつけて取り組んでいる、青少年センタースタッフの姿に感銘を受けた。例えば、青少年センターに検査技師を雇用するのが困難であるのならば、出張検査を実施し(日当を出すことができる)、何とかセンターと検査技師とのつながりを保ったり、パートナー援助機関からの資金配当が遅延しているのならば、保健センターが実施するルレ(コミュニティヘルスワーカー)の研修場所を提供することにより、効率よく保健センターやルレとの連携を保っていたり、ITが苦手であれば、隣の青少年局でボランティアをしている人に頼んで手伝ってもらい、月間報告書の義務は(意外にも)きっちりと達成しようとしていたり、等々。これら最低限のセンターの機能を守る努力を見、質の改善は大きな課題ではあるが、なぜ目標に掲げている固定検査数が伸びないのか、ピュアエデュケーターやルレが思うように機能していないのか、を理解することはできた。

そこで、実際の活動としては、フィージビリティに配慮し、①センター長が活かしきれていない人脈を駆使し、また、センターの最大の課題である広報活動を克服すべく、ロビー活動の強化、②ロビー活動をする上で補助となる、広報ツールの作成、③さらなるお金をかけなくても啓発活動ができるよう、IEC技師の部屋に埋もれている「使える」啓発教材の整理・活用、④今までセンター長の感覚で実施してきた活動を客観視すべく、四半期毎の目標設定・掲示、の4つを活動として行った。

この1ヶ月間の活動の最大の成果は、上記①のロビー活動であろう。センター長は、一番はじめに訪れたロビー活動先である市役所にして、青少年センターがその存在以外に、機能や役割等まったく理解されていなかったことを初めて知ったのである(知名度が低いとの調査結果にも、最後まで反対していた)。これまで、何となく日々の付き合いから知られているだろうと踏んでいた青少年センターが知られていなかったという事実に対して、センター長はすぐさま認識を改め、その後、教育委員会、宗教指導者、州議会、軍医務局とロビー活動を重ねていくにつれて、説明型から提案型へ変わっていき、また、各機関が抱える課題をセンター長と共有してくれるようになり、センター長も地域問題のコーディネーターとしての役割をも認識するようになった。

結果として、宗教指導者からの提案により、「イスラムとリプロダクティブヘルス」と題したコンファレンス開催という運びとなった。(2007年10月7日現在、まだ開催はされていません)これは、特定地域での教育現場におけるリプロ教育反対という保守派への対応に困っていた教育委員会のニーズにも応えるテーマであり、また、今まで単独で活動してきた各機関にとっても、連携強化のチャンスである。当コンファレンスが開催されれば、より一層の相乗効果が期待でき、今回介入した青少年センターの活性化にもつながると踏んでいる。

こうして、前半こそ課題の多さ、重さに無力感を感じたものの、何とか改善の糸筋を見出すことができた。もちろん、これで課題がすべて解決した訳ではないし、スタッフの活動継続性はモニタリングしていかなければならない。けれど、今回垣間見させてもらった、現場の人々の背伸びしない、でも希望を失わず、細々と続けるという姿勢が、私自身を現場で働くよう惹きつける最も大きな要因であることを再認識した滞在であった。

以上

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